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嵯峨 涼*; 松谷 悠佑; 高橋 玲*; 長谷川 和輝*; 伊達 広行*; 細川 洋一郎*
Journal of Radiation Research, 60(3), p.298 - 307, 2019/05
被引用回数:23 パーセンタイル:82.31(Biology)放射線治療において、腫瘍に含まれる癌幹細胞は放射線抵抗性を持つことが知られているが、細胞内の幹細胞含有率と細胞生存率の関係は未だ解明されていない。そこで本研究では、幹細胞を考慮した細胞死とDNA損傷を表現し得る数理モデルを構築し、幹細胞が細胞生存率へもたらす影響を解析した。細胞実験(フローサイトメトリ)による解析から、培養された細胞内の癌幹細胞の含有率は3.2%以下であり、モデルから推定された含有率と良い一致を示した。この検証に基づいたモデル推定から、高線量照射後の細胞生存率は幹細胞の影響を大きく受けることが明らかとなった。また、数%の幹細胞を考慮することで、核内致死DNA損傷数に関する線量応答も従来の放射線感受性モデル(LQモデル)より良い再現度を示すことが分かった。本研究の成果は、幅広い線量域に対する細胞の線量応答の評価では、幹細胞の考慮が不可欠であることを明らかにするものである。
木名瀬 栄; 横谷 立子; 斎藤 公明
KEK Proceedings 2005-10 (CD-ROM), p.33 - 38, 2005/11
本研究では、内部被ばくによる胃腸管の合理的な線量評価法を開発することを目的として、胃腸管の1区分である胃に着目し、放射線感受性の高い細胞である幹細胞の位置を仮定できる胃の簡易モデルを開発するとともに、モンテカルロ計算により、光子及び電子に対する胃壁全体や幹細胞位置などの比吸収割合(SAF)を評価した。その結果、胃の幹細胞位置の光子SAFは、10keV-4MeVの光子エネルギー範囲において、これまで放射線防護分野などで利用してきた胃壁全体の光子SAFに比べ最大5倍程大きくなること,胃の幹細胞位置に対する電子SAFは、これまで放射線防護分野などで利用されてきた電子SAFのような定数(たとえば、2.0kg-1)ではなく、電子エネルギーに対して無関係ではないこと、などを明らかにした。これにより、光子及び電子に対する胃の線量評価手法の開発において、モンテカルロ計算の有効性を示すとともに、胃組織内の標的部位の決定がSAF評価において極めて重要であることを明らかにした。